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日程第2 市政に関する
会派代表質問
5 ◯議長(反町好男君) 日程第2 市政に関する
会派代表質問を行います。
最初に、
民主クラブ・園原議員に発言を許します。
6 ◯36番(園原 実君) ◇登壇◇ おはようございます。
民主クラブを代表して、大きく4項目について質問をいたします。答弁のほど、よろしくお願いをいたします。
1、施政方針に関連して。(1)予算編成について。
平成10年度予算編成に関連して、国・県の予算、市税計画との関係及び日立市への影響について数点お伺いいたします。
国の予算は77兆6,692億円と、平成9年度と比較して0.4%の伸びとなっております。
国債発行高は、本
年度発行予定のもの15兆円を初めとして、平成10年度末には合計279兆円となる見込みであります。さらに、地方の債務残高も10兆円ふえて156兆円となるほか、その他の旧国鉄債務27兆8,000億円等を加えると、国と地方を合わせた借金の総額である
長期債務残高が、平成10年度末には529兆円に達する見通しであります。国内総生産(GDP)は520兆円で、初めて借金総額がGDPを超えることになり、財政危機は深刻さを増しております。
県の一般会計の予算規模は1兆1,229億円と前年度比の伸び率は1.9%ですが、
地方消費税清算金、同交付金を除いた
実質伸び率は、マイナス1.8%となっております。また、県債の発行残高も1兆円を突破し、財政体質は極めて厳しいものとなりました。
一方、当市の予算は0.7%と、国や県と
同様伸び率の低い予算編成となっておりますが、国や県の予算との関係を踏まえた当市の予算編成の特徴と、今後の財政構造の見通しについてお伺いいたします。
次に、国・県の財政が大変厳しい状況に置かれているということは、そのしわ寄せが地方財政、特に力の弱い市町村にかぶってくるのではとの危惧を持つものでありますが、これに対する見通しと対応策についてお伺いいたします。
2、
行財政改革について。(1)
行財政改革の
基本的考え方について。
長い間役所は、コストという意識が極めて低いまま推移してきたということが指摘されると思います。民間の企業では、コストを無視した経営を行えば、たちまち行き詰まって、倒産という事態を招くことになるのであります。かつて、国鉄は巨大な赤字を抱えて四苦八苦しておりましたが、思い切って民営化することにより、みごとに立ち直って健全経営を続けております。
国鉄民営化に対する反対論は、安全性に対する危惧、サービスが低下するのではないか、赤字がもっと増大するのではないか等でありましたが、民営化したとによって逆の結果が出ているのであります。
国鉄民営化の効用はコストだけでなく、職員の接客態度に如実にあらわれております。かつての「乗せてやる」という姿勢から、「利用していただいている」に一変したのであります。接客態度で言えば、郵便局のゆうパックは、留守のときは「何日の何時までに印鑑を持って取りに来なさい。それを過ぎたら送り主に返します」となっていますが、民間の宅配業者は電話をすればすぐに配達してくれる。国営と民営では、このように違っていくのです。
役所の中で旧態依然として続けられているものに、事務所の中のお茶出しがあります。役所のある女子職員から、
行政改革特別委員会に対して一つの問題提起がありました。朝・昼2回の、女子職員が交代でお茶出しを行っておりますが、これに費やされる時間は1日1時間として、年間で200時間に及んでおり、仕事以外の職員間のサービスのためむだな時間が使われている。私たちはお茶出しのために役所に来ているのではなく、もっと市民のサービスのためこの時間は使われるべきで、
行革特別委員会でこの廃止を打ち出してほしいというものであります。民間企業の場合、職場における女子職員のお茶出しは既に20年以上前に廃止されており、職場の一隅にポットか
自動給湯器が準備されているのが普通であります。これについては2月6日、
総務部長名によって、今後、職場における女子職員のお茶出しはやめようとの趣旨の通知が出ているようであります。12月議会における
行革委員長の報告の中で、「議会が行う会議には女子職員によるお茶出しは廃止する」との結論に対応する措置であろうと思います。
行革委員会の提案に素早く対応した執行部の姿勢に対して、率直に敬意を表するものであります。
もう一つ事例を挙げてみます。
シビックセンターに設けられた
市民課窓口ですが、これは議会からの要望に基づいて設置されたとのことであります。職員数は2名で、係長職1名、
非常勤職員1名の体制で、住民票、
印鑑証明等が発行されております。ここでの受付件数は、平均1日当たり13通であります。年間収入76万1,000円に対し、支出は1,611万7,000円ですが、行政の
持ち出し額は1,535万6,000円。この費用は、1通当たりにすると4,890円となります。設置当初は3名の職員が張りついていたので、1通当たりの単価が1万円を超えたため、現在の体制に改善したとのことであります。
役所の仕事と民間の仕事の進め方で大きく違うところは、民間企業では既に20年以上前から、本体作業でない部分の業務委託が進んでいます。こうした手法によりコストの削減を図らなければ、
企業間競争に落ちこぼれてしまうからであります。
今、役所の仕事で、民営または民営に準じた手法を採用すべき分野は、
学校給食共同調理場、幼稚園・保育園、動物園等数多くありますが、どうしても公務員でなければならない仕事、または、公務員によることに多くのメリットがある仕事を残し、できるだけ民営化を図るべきであろうと思います。
私は、日立市の財政状況は、
財政再建団体に指定されるような極端に悪化しているわけではなく、今のうちに適切な手を打つことが必要な時期にあるということが言えるかと思います。今こそ役所の仕事に徹底した
コスト意識を持たせ、役所の体質改善を図りながら
行財政改革を進め、スリムで強靱な役所につくり変えていくことが要請されていると考えるものであります。
以上、
行財政改革について基本的な考え方を申し述べ、執行部の見解をお伺いいたします。
(2)減点主義、加点主義について。
役所の体質改善についてもう一つ指摘したいことは、役所の仕事に対する評価は失点主義・減点主義であるということであります。新しいことをやったり、何かあったときによくやったとほめられるより、失敗を責められる。だから、失敗しないように新しいことには手を出さない。常に従来のやり方でという姿勢になる。危険を冒してまでという積極的な姿勢にならないのであります。
都市経営総合研究所が
自治体職員を対象に行った
アンケート調査によると、52.4%の人が、
減点主義人事が公務員の積極性を失わせていると回答しています。この点、民間企業では、何をやったかという成果で評価されるシステムになっており、新しいことに取り組み、たとえ1つや2つ失敗があっても、プラスの成果が出てくればその面で評価される。だから、常に新しいことに挑戦し、時代の変化、情勢の変化を先取りしようとするのであります。
この
アンケート回答の中で、職員のやる意欲を削ぐ要因としては、「やる者が報われるシステムになっていない」に62.2%が「そう思う」と答えております。適当にやっていても毎年給料は上がるし、年がたてばそれなりのポストにつけるという状況であれば、むしろやらない方が普通であるという雰囲気になってしまうのです。
私は、これまでの減点主義を廃し、加点主義に切りかえることを提唱したいのであります。北九州市では、平成6年から
勤務評定システムで
挑戦加点制度を導入し、
チャレンジ精神を育てようとしております。そのことにより、役所特有のことなかれ主義を一掃し、職員の活性化を進めようとの試みであります。減点主義・加点主義について、執行部の見解をお伺いいたします。
(3)人件費と職員の
採用計画について。
日立市の人件費の総額は、平成9年度の当初予算で141億5,000万円で、一般会計の24.1%を占めております。日立市よりもっと多くの費用を人件費に費やしている自治体もありますが、当市と規模が同じような自治体で先進都市はどうなっているかを比較してみると、最も優良都市と言われている長野市では15.5%、松本市では17.9%、盛岡市で17.7%という、いずれも20%を切っています。当市と同じような
企業城下町と言われている豊田市でも、19.9%というような事例があります。
人件費だけでなく、主に
まちづくり事業のための予算と言われている
普通建設事業費で比較してみると、当市の場合135億6,926万円で23.1%、長野市は34.4%、松本市は38.6%、豊田市は37.7%と、いずれも30%以上の数字になっております。当市は先進都市に比較して大きく引き離されていると言わざるを得ないのであります。この数字の中から言えることは、人件費を低く抑えている自治体は、ここで浮いた費用を
まちづくり事業費に向けているわけで、それだけ市民生活の向上のため使われているということが言えるかと思います。
次に、職員の
採用計画についての疑問であります。ここ数年の
採用計画とその実績を見ると、職員の
採用計画には一貫した政策がないのではと思うからであります。平成4年から平成7年にかけては退職者の数は218名ですが、これに対する採用者数は265名であります。この時期、
バブル経済がはじけた後の、財政的には極めて厳しい状況にあり、民間の企業は一斉に採用をストップした時期であります。市長は平成4年12月議会において、議員の一般質問に答える中で、「
財政非常事態」という言葉を初めて使っております。こうした状況下で、職員数を減らすのではなく、逆に4年間で47名の増員を行ったのであります。
しかし、ここに来て
行政改革大綱がつくられると、平成8年度から平成13年度にかけての6年間の
採用計画の見直しが行われたのであります。この中では、275名の退職者に対して190名の採用ということで、85名の削減を計画しております。このように、
バブル経済崩壊後の
財政非常事態という中にもかかわらず、4年間で47名の増員を行う一方、行革大綱がつくられると一転して85名の削減を計画するというように、その政策には一貫性がないことを指摘せざるを得ないのであります。
私は、最初に申し上げましたような理由から、当市は職員数を減らし、人件費の削減を図らなければならないと考えるものですが、長期的に見て人員の削減をしながらも、一方できちんとした
採用計画に基づいて採用を行っていくべきと思います。人員削減によって職員の活力が失われてしまうようなことになると、角を食べて牛を殺すことになりかねないので、執行部はきちんとしたポリシーを持って事に当たってほしいのであります。人件費と職員の
採用計画について、執行部の考え方をお伺いいたします。
(4)消防力の整備について。
当市の消防費は30億7,100万円で、一般会計の5.2%、職員数は286人で、全職員の15.8%となっております。これに対して他市の事例を見ると、当市と同じ程度の20万4,686人の人口である松本市の場合、消防費は16億4,879万円であります。これは一般会計の2.2%で、職員数は171人と、全職員の8.97%。一般会計に占める比率では当市の2分の1以下であります。また、長野市の場合は、35万人の人口を擁しながら34億円程度の消防費で、
一般会計予算の2.6%であり、豊田市でも3.2%であります。
消防力の整備の目標としては、
消防組織法の20条に基づいて、消防力の基準が示されております。ここで言う
基準消防力に対する当市の職員の充足率は75%で、現在の体制でも大きく不足しているのであります。
基準消防力を満足させるためには93名が不足していることになり、消防年報によると合計378名が必要とのことで、この場合、全職員の20.8%、5人に1人が消防職員ということになるのであります。
国の基準を満たしている
地方自治体は皆無と言われており、どこまで整備すればよいのかということは、結局、その自治体の体力に応じた整備ということになるのではないでしょうか。つまり、消防力は、国レベルで言えば防衛費と同じ性格のものと言えるのではないかということであります。必要数に絶対値は存在せず、少なければ少ない中で対応することが可能な性格のものであると思います。当市の場合、海岸線に沿って細長い地形で、慢性的な交通渋滞を考慮すると、単純に他市と比較することはできないが、市の体力に合わせた消防力という意味では、少なくとも一般会計の4%、23億円程度に圧縮すべきであると考えるものであります。この場合、当然のことながら、消防機器の充実を初め、防火水槽や消火栓の拡充、加えて市民の防火意識の高揚などの対策を講ずることも必要になります。
消防については、市民の生命・財産を守るという観点から、いわば聖域としての扱いを受けてきたと言えるのではないかと思います。しかし、行政改革には聖域を設けないという立場から、日立市における適正な消防費について、執行部の考え方をお伺いするものであります。
(5)
天気相談所について。
天気相談所は、昭和27年6月、市内の企業が公害対策のため行ってきた気象観測の仕事を引き継ぐ形で発足、
市町村段階では全国でも初めてというユニークな気象観測、気象予報、防災対策の
情報提供等を行ってきたのであります。しかし、近年のテレビ・ラジオを通じての
気象情報伝達手法の発達によって、その役割は終わったのではないかと思われます。少なくとも市民生活にとってどうしても必要なものとは言えない状況になっているのではないでしょうか。これを思い切って廃止して、必要な機能の一部は
環境保全課か、または防災課に移すことを検討すべきと考えるものですが、執行部の見解をお伺いいたします。
これによって削減できる費用は2,600万円程度ですが、役割が終わった仕事はやめるという意味で、あえて取り上げるものであります。
3、
保健福祉政策について。(1)少子化への対応について。
高齢化社会を迎えて、この対策に国を挙げて取り組んでいるところですが、一方で、少子化、出生率の低下による子供の減少という問題が、予測を超える勢いで進行しております。1990年6月生涯出生率、つまり1人の女性が一生に出産するであろう子供の数が1.57という数字が発表されると、将来の
高齢者扶養の負担増大や、社会の活力低下に対する懸念の声が大きく巻き起こったのであります。1995年になると出生率はさらに落ち込み、1.43という数字になりましたが、これはイタリア、ドイツと並んで世界最低の水準であります。一般的に、出生率が2.08ぐらいなければ人口は長期的に維持できないと言われております。厚生省では、出生率がこのままなら、2007年には日本の人口はピークを迎え、以降、年々減少。2051年には1億人を割り込み、その後は急速に減少し、今から80年、100年後には6,000万人以下になるであろうと予測しているのであります。労働人口のピークはもっと早く、ここ数年のうちに到来し、以後、急速に減少していくものと思われます。
出生率の低下の影響で、既に20歳代以下の層の減少が、関連業界ではかなり深刻になってきております。特に、林業、農業、小売店などは若者の新規参入が少なく、俗に「林業70歳、農業60歳、小売店50歳」と言われており、このまま高齢化が進むとこれらの産業には
構造的変化があらわれてくることが予想されます。
我が日立市の現状はどうかというと、平成3年の就学児童は2,343人であったものが、年々減少し、平成9年では1,922人と18%もの減少になっております。
全国的傾向は、日立市においても確実に現実のものとなってきているのであります。日立市における林業・農業への就業者の比率は低く、いずれもサラリーマンが兼業でこれに従事しているという実態のため、少子化による労働力の減少の
社会的影響は少ないが、
個人小売業の場合は、
後継者不足によって小売店の数が急激に減少してくるものと思われます。この結果、小売業は大型店とコンビニエンス・ストアの2極に分かれるといった現象が考えられるのであります。現に、私の住んでいる地域でも、八百屋さんと言われる小売業の閉店が目立ってきております。工場で働く人の場合、平均年齢の上昇という問題があります。従業員の年齢構成が上昇すれば、平均賃金も上昇し、
国際競争力の低下を招くのであります。さらに少子化は、保育園・幼稚園の児童数の減少、
小中高校生の減少を招き、しかもこれが急激に進行してくるものと思われます。
人口が減って、豊かさを維持し続けた国はかつてないと言われております。若い人がいない、子供の声が聞こえないという過疎が、日本全体に広がろうとしているのです。このように、少子化、出生率の低下は、
高齢化社会がもたらすさまざまな問題と同様、深刻な社会問題となることが予想されます。
高齢化対策という名の
高齢者優遇策に重点を置いてきた政策を見直して、育児支援へ政策目標を転換させることが必要な時期に来ているのではないでしょうか。
先進国は、1960年代から一様に少子化が進んでいますが、スウェーデンでは積極的な
子育て支援策によって、83年には1.61であった出生率は、80年代後半から上昇に転じ、91年には2.14まで回復したということであります。少子化という大きな流れは、国レベルの施策が必要であることは言うまでもないが、
地方自治体として知恵を出し合って、現時点で考えられる施策を実行に移していくべきであると思います。少子化問題をどう認識しているのか、今後どのように対応していこうとしているのか、執行部の考え方をお伺いいたします。
4、都市計画に関連して。(1)助川山開発について。
助川山150ヘクタールの土地は、平成3年3月の山林火災によって焼失した210ヘクタールのうち、国有林の部分を買収したものであります。平成3年12月4日の
全員協議会において執行部は、取得目的を、環境資源としての森林の再生と保全、
山林火災等に対する防災機能の整備、森林との触れ合いの場、森林公園を建設するとしております。これらの目的のほか、この土地取得の本当のねらいは二次開発であり、平成15年3月8日の用途指定の期限が経過した後は、日立市活性化の起爆剤にしたいというものであります。現在までのこの地区に投じられた総費用は67億9,700万円であり、このうち
用地買収費は58億4,300万円。今後、平成13年度までに
森林公園等のため3億3,100万円の支出が予定されております。合計では実に、71億2,800万円という巨費が投じられるわけであります。
本開発計画には、2つの大きな疑問があります。1つには、現在の日立市にとって、莫大な費用を投入し、このような広大な森林公園を持つことの必要性があるのかどうかということであります。2つ目は、本土地取得の真の目的である、二次開発による工業団地、
住宅団地等の開発の可能性の可否であります。
1つ目の森林公園についてですが、財政力が高く、余力があるのであればとにかく、これほどの巨費を投じて森林公園をつくる力は、残念ながら現在の日立市にはないと言わざるを得ないのであります。
2つ目の工業団地、住宅団地でありますが、工業団地については、
北部工業団地が平方メートル当たり3万4,500円、中央工業団地でも3万5,000円程度が売却価格の限度であり、
北部工業団地は
北インターの人口という好条件に恵まれているにもかかわらず、売却が遅々として進んでおりません。住宅団地についても、平方メートル当たり8万5,000円、坪当たり28万円以下でないと売却が難しいというのが現状であります。
こうした状況の中で、果たして
仕上がり単価が十分に市場性のある価格になるのかどうかということであります。執行部は平成9年9月議会で椎名議員の質問に答えて、二次開発は山側道路の建設がこの地区に到達した後、沿道開発として考えたいとしておりますが、これは現状では、平成15年の用途指定が解除されても、その時点では二次開発の可能性がないことを示しております。一方、山側道路については、この道路の建設日程は、現状では全く立っていないのであります。つまり、石名坂から多賀までは計画が具体化し、
用地買収等の段階に入っておりますが、多賀から高鈴町までの間は、計画決定のための作業が実施されているところであり、今後、設計、工事費等の検討が行われることになりますが、建設工事に着工できる見通しについては、何年ごろということさえ言える段階に至っていないというのが現状であります。
こうした状況を考えると、助川山の二次開発は、少なくとも今後20年間は手をつけられる状況にはないということが言えるのではないでしょうか。
本件については、平成5年度の当初予算で議決したものであり、当然のことながら、議会としてもこの問題の責任を負わざるを得ないわけで、一方的に執行部の責任云々と言うつもりはありませんが、執行部、議会ともどもこの70億のツケの大きさを反省する必要があると思うのであります。
こうした観点に立って、以下、3点について質問をいたします。
1点目は、本土地を購入しようとした真の動機は何であったのかということであります。
2点目として、本土地の購入については、二次開発が可能ということが大きな理由であったと思いますが、当時、工業団地、住宅団地を造成しようとする場合の工事費や、
仕上がり単価の試算値はどうであったのか、具体的な数字があればお聞かせいただきたいと思います。あわせまして、仮に現時点で工業団地、住宅団地を造成した場合、それぞれについて
仕上がり単価はどの程度になるのか。つまり、十分に市場性のある価格になるのかどうかについてお伺いいたします。
3点目は、今後、この70億円という資産を生かして使うためにどのような方策を考えているのか、お尋ねをいたします。
(2)多賀駅前旧国鉄用地について。
多賀駅前の旧国鉄用地は、平成4年2月20日にJRから土地開発公社が買収したものですが、面積は4,873平方メーター、買収価格は14億7,182万円。現在はこれに金利がかさんで、19億6,985万円という金額になっております。この土地の買収目的は、多賀駅前周辺地区を再開発するための種地ということであります。現在は暫定的利用ということで、3,000万円をかけて駐車場に整備して、時間決めと月決めの2種類の駐車場として利用を図ろうとしております。多賀駅前周辺の再開発計画は、平成3年3月に多賀地区の整備基本計画がつくられておりますが、計画の具体的な青写真は描かれておらず、いつこの土地が有効に使われるかについては見通しが立っていないというのが現状であります。ここでも20億円近い大金を投じながら、具体的な利用計画がない土地を抱えていることになるわけです。
私は、土地の先行取得はすべてだめというようなことを申し上げているのではなく、道路の代替地等については、先行して土地を取得していくことは用地政策として当然認められるべきで、こうした手法を否定するものではありません。しかし、この旧国鉄用地の取得については、20億という金額を支出するには計画が余りにも漠然としており、詰めの甘さを指摘せざるを得ないのであります。この土地の利用計画、将来の見通しについて、執行部の見解をお伺いいたします。
(3)都市計画道路の見直しについて。
日立市の都市計画道路は、戦前の昭和16年につくられた旧多賀町地区の道路計画、昭和21年にいわゆる戦災復興都市計画として定めた道路計画のうち、形だけの計画になって実現の可能性がほとんどないものが相当数存在しております。事業計画が具体的に示されているものはともかくとして、計画だけで50年以上にわたって放置されているものがあります。これらの道路の計画線上や、すぐ隣接して土地を所有している場合、建物建築の際に都市計画法の制約を受けるのであります。平成9年12月議会に提案され、後で取り下げとなった川尻町1丁目の土地買収の対象となった土地も、この都市計画道路の一部にかかっていることが買収の理由になっていたのであります。
こうした50年以上店ざらしになっている道路計画は、石倉・清水線、川尻・折笠線等、少なくとも8本は存在しております。こうした形骸化した道路計画でも、これに関係した土地は都市計画法の制約を受けるわけで、実現の可能性の低いものや必然性の低いものについては、計画の見直しや計画の廃止はできないものでしょうか。当局の説明によれば、一度決定した都市計画道路は、見直しや廃止にはそれなりの明確な理由がないと、県知事や建設大臣の認可を得ることが難しいということで、見直しの必要性は認めつつも、現在まで推移してきているとのことであります。
ここで都市計画道路の見直しを行って、廃止すべきもの、見直しすべきものについて明確に方針を出して、県や国に対して認可を求めるべきと思いますが、執行部の見解をお伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わります。
7 ◯議長(反町好男君) 園原議員の質問に対し、執行部からの答弁を求めます。
8 ◯市長(飯山利雄君) ◇登壇◇ 私から2点、お答えをいたします。
最初に、施政方針に関連いたします予算編成についてでございます。
まず、国・県の予算との関係を踏まえた当市の予算編成の特徴と、今後の財政構造の見通しについてでございます。
平成10年度の予算編成の特徴でありますが、御承知のとおり、
行財政改革推進法を受けまして、国・地方とも、一口に申し上げれば徹底した緊縮型の予算編成になっているということであります。一方では、不況対策といたしまして、2兆円減税を初めとする国税・地方税を含めた税制改正や、多額の収支不足の生じた地方財政対策など、平成不況のどん底と見ておりました平成6年度予算編成よりもさらに厳しい現実の中で、主要事業の見直しを余儀なくされたところであります。
歳入面では、前年度留保財源を今年度に繰り入れましたほか、普通交付税の増額、減税補てん債の増発などの財源のやりくりによりまして、歳入確保に努めた次第であります。
一方、歳出面では、基本計画の第2年次目にもかかわらず、ただいま申し上げましたとおり、主要事業の見直しや、国・県補助事業の10%から15%の削減、経常経費の削減等を実施し、歳出の全体的な抑制を行っての予算となりまして、新ごみ処理施設建設等の経過的な、過渡的な事業を除きますと、実質マイナス予算と判断せざるを得ません。
これらの結果、一般会計では対前年度比0.7%増、全会計予算では3.7%減ということで、緊縮型予算ということでありますが、しかし、そういう状況下におきましても、目下日立が置かれている今日的な課題がたくさんございますので、そういった課題には重点的に取り組むべく、例えば福祉産業、衛生等の施策を優先に予算編成をさせていただいたというのが、大まかな特徴かと思います。
次に、財政構造の見通しについてであります。全般的な傾向といたしまして、収入面では残念ながら伸びの鈍化ないしは横ばいの傾向と申し上げざるを得ません。支出におきましては、経常費、特に義務的経費の増加がなかなか抑制できない構造がありまして、将来にわたる財政の硬直化から抜け出るためにも、その抑制は今後とも大きな課題でございます。
収入の内容面では、長引く不況によって、個人市民税、法人市民税の伸びが余り期待できないこと、また構造的には、特に個人市民税において高齢社会の進展による給与所得者の減少や、法人市民税における国際競争での法人税率の引き下げ傾向など、構造変化が顕著でありまして、従来のような伸びは期待できないと思っております。
一方、地方消費税交付金、地方交付税でありますが、これはある程度の伸びがあるものと見ております。しかし、これも、その原資が国税であります消費税、所得税、法人税の伸びにそのままリンクをしておりますので、原資であるパイそのもののボリュームに左右される構造でありまして、見通しについては必ずしも楽観できるものではありません。
特定財源である国・県補助金でありますが、削減、あるいは縮小・廃止、一般財源化といった傾向が、残念ながらさらに強まるものと予測をいたしております。市債につきましても、行財政構造改革の観点から抑制基調に推移せざるを得ないと、見通しをしております。
歳出でありますが、まずは義務的経費の抑制をなお一層図っていかなければなりません。特に人件費につきましては、ただいまもいろいろと事例の御指摘がございましたが、財政構造を変えていく上で極めて影響の大きい、効果的な項目でありますので、議会の
行財政改革特別委員会の意向も十分体して、執行部としてもその改革をさらに推進し、厳しく削減の方向を探ってまいります。
また、人件費だけでなく、高齢社会の深まりにより、経常経費の構造的な増加要因が控えておりますだけに、従来の経常的事業についてもさらに見直しを図り、収入の傾向に見合った経常的な支出構造に変革をしていく必要がございます。さらに、今後進めていく新規事業につきましても、事業の規模、投資の内容といったイニシャル・コストだけではなくて、運営管理のランニング・コストをいかに絞るか、いかに圧縮するかといった工夫とともに、従来の各施設の運営管理費にメスを入れることも、支出構造を変えていく極めて重要な視点でございます。
全般的には、施政方針でも述べましたように、本市財政状況は、地域経済の低迷・不信が顕著でありまして、加えて、不透明な景気動向や国・県における行財政構造改革の影響による極めて厳しい局面に立たされていることは明らかでございます。この厳しい現実をしっかりと認識をいたしまして、行政のあらゆる分野において見直しを行い、状況に見合った財政構造に変えるべく、一層の努力を重ねてまいります。文字どおり、これら変化に対応できる新たな基盤構造づくりへのスタートの年として、また、財政健全化に向けて体制を強化する足がかりの年として、全力を挙げてまいりたいと思っております。
次に、国・県の財政が大変厳しい状況から、
地方自治体に対するしわ寄せの影響の見通しと、その対応策についてであります。
国・県におきましては、財政構造改革5つの原則において財政健全化目標を掲げ、一切の聖域を設けずに、歳出の改革と縮減を進め、今世紀中の3年間を集中改革期間といたしまして、その達成を目指しております。県におきましても、特別委員会を設けて、すべての事務事業についての抜本的な見直しが実施されております。当市におきましても、平成10年度予算編成においては、限られた財源の中から厳しい施策の選択と配分を行い、編成したところでございますが、中でも国・県の
行財政改革の影響は、国庫補助金等の一般財源化や廃止等によって、少なからず本市に影響を与えております。しかしながら、市民生活に直接かかわる、例えばがん検診事業等は、仮に国・県補助金がカットされましても、市民の健康を守るという観点から、そのカット分を市が肩がわりをして予算を計上いたしております。これら肩がわりの影響額は、約5,400万円の市の一般財源の持ち出しになっております。また、公共事業系統にかかわります補助金カットにつきましては、今後、その影響が具体的に明らかになるものと見ておりますが、とりあえず、その影響を前提といたしまして、原則として国庫補助事業10%、県補助事業15%を歳入・歳出それぞれ削減して、計上させていただきました。つまり、国県補助事業削減のしわ寄せに事前に対応しておこうという方針で編成をするという、特別事情があったわけでございます。そして今後、幸いにしてカット分がない場合には、あるいはカットが少なくなった場合には、当然、歳出増加が伴いますので、その場合にも対応できるように、市債償還基金に、その引当金といたしまして1億3,300万円を積み立てさせていただきました。
今後の見通しでありますが、国・県の財政状況からして、今後とも補助率引き下げ、カットあるいは廃止、一般財源化など、さらに進められる見通しがございます。特に心配しておりますのは、経常費系統の国県補助金の場合で、市の財源で補てんするかどうかの選択に迫られるわけでありますが、ある程度の手持ち留保財源でできる限り補てんいたしまして、ケース・バイ・ケースで身近な市民生活の施策に影響を及ぼさないように対応を考えてまいります。
次は、行政改革に関連しての基本的な考え方でございます。
ただいまの御質問の中で、いろいろと例示をいただきながら、役所仕事の非効率、あるいは民間企業のコスト削減への厳しい取り組みなどのお話をいただき、また、民営化できるものはできるだけ民営化していく必要があるということ、役所の体質を改善していかなければならないということなどの御意見をちょうだいいたしました。その御意見のとおりと私も考えておりますし、これまでいただいた同様の御質問にも、その方向で取り組んでいきたい旨、繰り返し申し上げてまいりました。
そこで、
行財政改革の基本的方針について、改めて私の考えを申し上げます。
第1次
行政改革大綱の中でもお示ししてありますが、基本は3つであります。すなわち、1つには市民福祉の増進、あるいは行政サービスの向上を目指した、簡素で効率的な行政であります。2つ目は、時代の変化に対応した、市民の皆様方にわかりやすい、開かれた行政であります。3つ目は、市民と行政の責任区分を明確にした、健全な財政運営であります。この3つの基本を踏まえて、行政運営の本来の目標である、最小の経費で最大の効果を図っていこうと願っております。そして、これも大綱の中で触れておりますが、この経費を切り詰めていくという、いわば節約型、減量型の
行財政改革を実現しながら、これにとどまらず、同時に、さらにその枠を超えて、従来の施策、事業運営の点検も含めて、減量・スリム化を通してのまち全体の活性化、さらに都市構造と執行体制の再構築という意識と構造の改革に結びつけていきたいと考えております。特に、将来にわたって今後とも市税の増収が見込めず、また、国・県を通じての
行財政改革に基づく財政圧縮によって、特定財源も縮小するであろうと考えましたときに、時代の流れといたしましても、また、それを契機とするまちづくりへの新しい構造基盤づくりへの足がかりを築くためにも、今取り組んでいる
行財政改革は、例えばさまざまな事業の民間委託等も含めて、より真剣に、かつ、より深く・広く進めるべきものでございます。
私はこれまでも職員に対し繰り返し、改革の今がなければ将来の発展はないということを強く伝えてまいりました。
行財政改革は、緊急かつ最大の私どもの課題でありますし、すべての職員が例外なしにこの問題をみずからのものとして取り組まなければなりません。そして、第1次
行政改革大綱に基づく実施3年目を目前にいたしまして、私が最も今強く感じておりますことは、
行財政改革を通じて役所そのもの、職員一人一人の体質そのものを改善することがいかに大切かということであります。
トップ・ダウン方式で問題を提示いたしましても、これを受け入れて具体的な改革を広げていくのは一人一人の職員であります。逆に申し上げれば、職員の意識、役所の体質改善なしに、
行財政改革は進まないということであります。最近は、職員間にも少しずつ、それが痛みを伴うものでありましても、具体的に提案していただける事例がふえてきておりますが、まだまだ不十分でございます。それらについても強く改善是正を求めていきたいと思っております。
市議会の特別委員会からも、いろいろと貴重な御提言をいただいておりますし、その趣旨をしっかりと体して改革に取り組んでまいります。
9 ◯助役(吉成保寿君) ◇登壇◇ 私の方からは、2の
行財政改革の中の(2)、(3)につきましてお答えをしたいというふうに思います。
まず、(2)の減点主義・加点主義についてでございます。
行財政改革を進めるに当たりましての人材の育成、この重要性につきましては十分認識しておるつもりであります。このため、職員の執務成果がこれまで以上に認められるような、あるいはまた、実力・能力が発揮できるような新しい人事評価システムが必要であるというふうに考えております。
御質問のありました評価方法についてでありますが、現在でも、昇任・昇格につきましては、各部長・課所長へのヒヤリングを十分に行い、勤務成績を評価した上で、役職の登用や若手の抜てきなどを行っておりますし、勤勉手当の支給につきましても、県内では実施しているところは少ないわけでありますが、当市は早くから査定制度を取り入れまして、管理職を含めた全職員の勤務実績の査定を行っております。
しかしながら、御質問のように職員のマイナス面のみをとらえた減点主義ばかりではなく、職員一人一人のすぐれた面を評価し、新しい目標や、困難な課題に挑戦した場合には何がしかの加点を行う、そういう新たな評価の仕組みが必要であると認識しております。具体的なイメージといたしましては、職員がみずから自己申告による目標を設定いたしまして、その達成度を自己評価させることで、自己の能力の自覚や、自己啓発を促しまして、それに基づき必要な人材育成や能力開発を行うという、評価のシステムを検討しておるところでありますが、議員からお話のありました北九州市の例も十分参考にしまして、よりよい評価システムを取り入れて、職員の体質改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
次に、(3)の人件費と職員の
採用計画についてであります。
1点目の一般会計に占める人件費の割合についてちょっと申し上げますと、長野市の場合は長野オリンピック関連の投資によりまして、また、豊田市はトヨタ自動車本社を初めとする法人税収入により、人件費の割合を算出するための分母でありますところの
一般会計予算の規模が、本市の2倍以上でございます。したがいまして、一般会計に占めます人件費の比率は、小さくなるわけであります。
このように、財政規模や職員構成による職員数の違いから、人件費の占める割合が違って見えることがあるわけでありますが、人件費を職員数で割り込んだ一人当たりの人件費をちょっと試算しますと、本市の場合ですと774万5,000円、長野市で779万3,000円、豊田市は890万3,000円などとなっておりまして、それぞれ見方によって異なった結果があらわれるということができるわけであります。
しかしながら、御指摘のように人件費を抑えることで浮いた財源を市民生活向上のための施策に充てることは大変重要なことであるわけでありまして、今後とも業務量に応じた人員の見直しを図りながら、人件費の削減に努めてまいる所存であります。
御指摘の平成4年度から7年度にかけて職員数を47名増員し、一方で平成8年度から13年度までにかけまして85名の削減を計画している。これは一貫性がないのではないかという御指摘でございます。
確かに平成4年度から4年間で、結果としては増員という形なりましたから、そのような御指摘もあろうかと思います。私どもも、もっと厳しく採用人員の抑制、調整ができなかったのか、そのような自戒の思いも強めておるわけであります。しかし、47名というその内容を少し申し上げますと、当時、幾つかの人事配置上の特別事情があったことを申し添えたいと思います。
すなわち、この間特に増員が顕著なのは、1つには消防職で、29名の増員であります。保健福祉関係で17名の増員。合わせて46名の増員であります。消防職は、退職補充を含めまして、加性出張所の新設、さらにははしご車要員の計画増員配置であります。体制強化の経過から、これはやむを得ないというふうに考えております。また、保健福祉業務部分では、老人福祉計画に基づくところの保健婦の計画的増員7名、臨時保母の年次解消策として新たに保母10名の増員がありました。一方ではこの間、技能労務職の委託拡大等によりまして、この部門で13名減員し、また、女性課、ごみを減らす課、あるいは高齢福祉業務要員として重点配置をした時期でもありましたが、できるだけ内部補充で調整をしたつもりでございます。もちろん、重点部門で増員する部門を職員定数調整の上で極力削減に持っていくためには、数字の上では新規採用によらず、内部補充という方法で対応することが望ましいわけでありますから、これを当時もっと突っ込んで、一挙に内部転換できなかったか、そんな対応ができなかったかという点では、甘いという御指摘があれば弁解の余地がないところであります。
御質問の基本的な趣旨は十分理解しておりますので、今後とも、新たな行政需要が生じたから直ちに増員採用と、そういうふうな単純な発想ではなく、より厳しい定数見直しを続けながら、職員の抑制、そして減員を図ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
10 ◯消防長(久
下谷晃一君) ◇登壇◇ (4)番、消防力の整備についての御質問にお答えいたします。
御案内のとおり、本市は、市民の生命と財産を火災と災害から守ることを市政の最重要施策の一つに掲げまして、戦後の昭和25年、他市町村に先駆けて、いち早く常設消防本部を発足させ、以来今日まで、市民生活の安全・安心に努力してまいりました。
御質問の消防費の割合の件でありますが、当市消防本部が進めてまいりました歴史的背景を踏まえ、大きく次の3点が理由に挙げられるのではないかと思います。
第1点であります。御承知のとおり、日立市の地形が、町村合併等もあり南北に細長い地形であるために、効率的な消防署所・出張所の配置が難しく、署所・出張所の数が多くなったこと。第2点目は、重要港湾の日立港を初め、漁港、海水浴場など、海上及び海岸線における消防体制の確立のために、他市にない消防艇、救助艇を配備していること。第3点といたしまして、常磐自動車道の開通に伴い、インターチェンジ3カ所を持っていることなどの特殊事情のため、救急自動車が増設配備されていることであります。
以上のように、他市に見られない消防態勢をとって、日々、災害現場に臨んでまいりました。申すまでもなく、消防活動の基本は、施設・機械・人員であります。したがいまして、消防職員の確保が不可欠であり、消防費の割合を押し上げているものと認識をしております。
適正な消防費の御質問でありますが、先ほども申し上げましたように、本市の置かれております地域性、歴史的経過等を考えますと、一概に幾らが妥当と決めることのできない難しさがございます。一つだけ申し上げることができますことは、消防費の87%を占める人件費であります、先ほども話がありました。その人件費を「市民サービスを低下させないで幾らまで抑えていくことができるか」ではないかと思っております。
今後は、消防署所・出張所における適正な人員配置等につきまして、再度検討を重ねますとともに、経費の節減に努めるなど行政改革をさらに推進しながら、市民に真に信頼され、安心される消防態勢の確保に努めてまいります。
以上でございます。
11 ◯企画部長(宮本寿雄君) ◇登壇◇ 次に、大きい2番の(5)でございます。
天気相談所についてでございますが、まさに
天気相談所は議員からのお話のとおり、旧日本鉱業より受け継ぎまして、昭和27年6月に全国でもまれな市立の気象台ということで発足したものでございます。現在は、気象予報士3名によりまして、気象観測を初めとする気象業務を行い、身近なまちの気象台として今日に至っております。
さて、御質問の趣旨は、このような背景にある
天気相談所ではございますが、昨今の情報伝達手段の発達、また、
行財政改革による経費削減の折からこれを見直し、統廃合を考えてはどうかという御指摘でございます。確かにメディアの発達によりまして、かなり細かい、かつ正確な天気情報が手軽にとれるという今日、人件費や特殊機器の経費を費やしながら市立の気象台を持ち続けることはロスとも考えられ、基本的には議員御指摘のとおりでございます。
しかしながら、
天気相談所の歴史的背景、さらに、きめ細かな地域の気象情報が欲しいという要望にこたえる、また、防災上の迅速な情報収集等を考慮いたしますと、単に経費の問題のみで廃止することはいかがなものかと思われます。重ねての言い方になりますけれども、市民生活を安全に守る上でも、むしろ消防、防災面でのきめ細かな情報提供、あるいは連携を強化した組織としての位置づけを明確にしていくべきものと考えております。
この考えに立ったとき、効果的組織の位置づけはどうあるべきかという、解決すべき問題が残りますので、ややしばらくお時間をいただきたいと思います。
12 ◯保健福祉部長(荒巻勝男君) ◇登壇◇ 大きな3番の
保健福祉政策、少子化への対応についてお答え申し上げます。
少子化が進行する背景には、晩婚化の進行や、核家族化、女性の職場進出に伴う子育ての精神的・肉体的負担の増大など、さまざまな要因が考えられています。その影響といたしまして、経済面では現役世代の社会保障費への負担増、社会面では家族の形態や地域社会の変容、人との交流が少なくなるなど、子供の成長への影響、あるいは若い世代が少ない社会での活性化の課題などが挙げられております。高齢化と相互にかかわっていますこの少子化も、高齢化と同様、そのスピードが異例の速さで進んでおり、国を挙げて現在の社会システムの変革が求められているところであります。市といたしましても、バランスのとれた年齢構成がまちの活力にとって重要でありますし、同時に、コミュニティーの形成にとっても大切でございまして、少子化に対応した施策の取り組みの重要性が増していると認識しているところであります。
一人一人の人生観が変わってきている中で、個人の決定にゆだねられることとなる問題でありますが、結婚し、子供を産み、育てたいという気持ちを阻んでいる社会的要因を取り除くことが求められている中で、少子化の背景にありますこのような社会の変化に対応しまして、子育て支援に取り組む環境づくりを進めるため、今回、児童育成計画を策定いたしました。今後、情報の提供や相談の充実など子育て負担の軽減や、保育サービスの充実、児童クラブの拡充など、子育てしやすい保育環境、あるいは女性が社会参加しやすい環境づくりなど、この計画に沿いまして子育ての支援を推進してまいりたいと考えております。
以上です。
13 ◯都市計画部長(黒澤 清君) ◇登壇◇ 4番の都市計画に関連しての御質問にお答えいたします。
まず(1)の助川山開発についてでございますが、平成4年度に国から約150ヘクタールの山林を買い受けまして、翌年度より、進入道路を初め、園内の管理道路工事等を進めてまいりました。今年度、その園内道路が完了いたしまして、3月の市報に掲載いたしましたように「助川山市民の森」として、3月21日開園の運びとなりましたことを、まず御報告申し上げます。
さて、お尋ねの第1点でございます、助川山を購入した目的でございますが、御質問にもございましたように、1つには火事で焼けた山林の緑の回復と保全でございます。2点目といたしまして、日立市のまちの特性上、市街地が山林に隣接しているため、山林火災の教訓を踏まえ、防災空間を確保したいということでございます。3番目に、この地区が地理的に中心市街地に近い場所にございますので、森林公園として市民に身近に自然を体験してもらうことを意図したものでございます。さらに、森林公園だけでございますと、非常に大きな財政負担をして用地を取得するということになりますので、御指摘にありましたように、将来の日立市の発展につながる都市的土地利用の二次開発に結びつける拠点にしたいということで購入した経緯がございます。
御質問の2点目の、購入当時の二次開発の造成工事費用、あるいは
仕上がり単価の試算値についてでございますが、国から土地を購入します前年度の平成3年度に、助川山の緑の復元や市民の憩いの場として山林有効利用を図るため、日立市助川山国有林利用基本構想を作成しております。この中では、焼失しました山林の再生と、市民の憩いの場をつくり出すための森林公園計画、及び日立市の住宅需要にこたえるための住宅団地計画と基本的な施設の配置等を検討いたしておりますが、御質問の趣旨に沿います二次開発での造成後の
仕上がり単価の試算にまでは至っておりません。
また、現時点ではどうかということでございますが、この二次開発区域の計画につきましては、山側道路周辺の土地利用と深く関係するものでありまして、現時点で山側道路の計画中ということがあり、詳細検討がまだできない状況にございます。しかしながら、第一義的に考えてまいりました助川山の森林公園としての供用開始を迎えました現在、時代の変化を踏まえ、新たな都市的土地利用のあり方を含めて、多角的に検討すべき時期に来ていると認識しておるところでございます。
3点目の御質問であります、今後この資産を生かして使うために、どのような方策を考えておるかということでございますが、助川山は日立市民、そして将来の日立市民にとりまして、極めて貴重な財産でございます。助川山市民の森は中心市街地近くにありまして、身近に自然を市民に体験させてくれる場所であります。私たちが気軽に大自然の中に浸ることができるようになったと感じております。21世紀は環境の時代とも言われております。地球温暖化などの環境問題が叫ばれる中でありますが、この森の貴重な自然を通して、市民がつくり、育て、守っていく森づくりの体験の場、あるいは次世代を担う子供たちの環境教育の場となるように、市民の創意と工夫を生かし、これからも引き続き森の復元を図りますと同時に、森林公園としての整備を必要な部分については進めてまいる考えでございます。
また、二次開発につきましては、日立市の将来の発展につながるような開発に結びつくよう、森林公園としての用途指定が外れた後、事業着手し得るように、開発手法、事業主体、開発時期等につきまして、時代の趨勢をにらみつつ、検討してまいりたいと考えております。
次に、(2)の多賀駅前旧国鉄用地についての御質問でございますが、この土地につきましては、駅前の駐車場用地として平成4年に取得しておりますが、取得当時のもくろみといたしましては、駅前に隣接する一団の土地でありますことから、将来の開発の種地として、その開発可能性と開発効果に期待をしまして取得したところでございます。しかしながら、議員がおっしゃられるとおり、開発事業の具体化には至っておらず、現在、暫定的に市営駐車場として利用を図っておるところでございます。
この土地を取得しました後、これらの土地を核とした多賀地区の活性化を目指しまして、平成4年度多賀地区再開発促進計画の策定、平成8年度には駅前地区高度利用推進事業調査等を行いまして、公共施設や都市型住宅、商業施設等の土地利用のモデルプランを描くなど、この付近の土地利用についての検討をしてまいりました。また、そのほか、これらの計画促進に向けまして、まちづくりパンフレットの作成・配布、アンケートの実施、権利者の方からのヒヤリング、地元懇談会の開催など、種々事業の具現化に向けて取り組んできたところでございます。
しかし、昨今の社会情勢の落ち込みや、開発塾度が整わないなどで、事業化には至っていないのが実情でございます。今後も、再開発の事業化に向け取り組んでまいる考えでございますが、利用計画につきましては、民間活力の導入や、国・県の施設立地などと間口を広め、開発計画の見直しを進めますとともに、どのような開発が求められるのか、権利者の方々との協議を重ねることなど、開発塾度を高めるべく引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
次に、(3)の都市計画道路の見直しについてでございますが、市内の都市計画道路、現在幹線道路を中心に83路線、延長約148キロメートルが計画されておりまして、改良率は約56%となっております。
御指摘のとおり、この中には都市計画決定がなされてから50年近くを経て、いまだ事業化が図られていない路線もありまして、その中には、その後の市街化の進展やかわりの機能を持つ近くの道路の整備などによりまして、道路の必要性、実現性が低いものも幾つか見受けられます。また、都市計画法の建築制限に関する規定から、家屋などを建築する際に規制がかかることも現実でございます。道路の都市計画決定につきましては、幅員16メーター以上のものが県知事、それ未満は市町村が決定することとなっておりますが、市町村が決定できる道路につきましても知事の承認が必要であるというように、常に県の指導のもとで計画の策定を進めてまいってきております。
御指摘の都市計画道路の見直しにつきましては、県、あるいは建設省の考え方は一貫しまして、計画決定を行った道路は、明確な理由がないと変更や廃止はできない。あるいは、都市計画は相当長期的な目標を持って事業を進める性格のものだけに、事業が進まないという理由だけでは見直しできないというような考えでございます。都市計画の理念といたしましては十分理解できるのでありますが、御指摘のような個別の問題に対しましては課題が残ると感ずるところでもございます。
市としまして何らかの改善が図れればと考えるところではありますが、このような事情から、現行の都市計画制度のもと、現時点では、御指摘のような道路計画の見直しは極めて難しいと言わざるを得ないところでございます。しかしながら、御承知のとおり、地方分権推進の中で、地方への権限委譲が議論されておりまして、都市計画制度も分権化が検討されているようでございますので、そう遠くない将来、権限委譲の中で、市町村の実情に合わせた都市計画の見直し、道路計画の再編ができるようになるのではないかとの期待も持っておるところでございます。
現在の状態に課題がありますこと、それから、地方分権の中で都市計画の見直しが必要でありますことは認識しておるところでございますので、今後の推移を見守りながら、これらの都市計画道路の見直し問題に対処してまいりたいと考えております。
以上でございます。
14 ◯36番(園原 実君) ◇登壇◇ 答弁ありがとうございました。
数点について、再質問と要望を申し上げたいと思います。
まず、予算編成についてですけれども、大変苦しい予算編成である、あるいは予算執行であるという市長からのお話ございました。これは我々議会としても、当然同じような受けとめ方をしておるわけでございますけれども、2月26日の新聞によりますと、基幹産業等の不振などから、市税が激減する、あるいは市税落ち込みが1,000億円を割る等の報道がありました。確かに個人市民税は国の特別減税の影響によって7億2,900万円程度が減少いたしますが、これは全額減税補てん債によってカバーされ、後年度地方交付税によって措置されるので、市財政への影響はないのではというふうに思います。さらに、法人市民税の減と固定資産税の増によって、結局、合計で市税のマイナスは6,100万円程度ではないか。執行部のマスコミへの説明で「激減」という表現をとっておりますけれども、これは不適切で、市民にいたずらに不安を与えるものではないか、こんなふうに思います。これについての見解をお伺いいたします。
2つ目の行政改革について。私は、行政改革について多くの時間を割いて質問と主張をいたしましたが、これは本市の財政再建策はこれしかないと思うからであります。財政部長がいかに行政・財政手法を駆使しても、財政構造を変えるまでにはいかないというふうに思うからであります。さらに、行政改革は単に財政構造を変えるだけではなくて、役所の体質そのものを変えるものでなくては、本当の改革にはならないというふうに思います。行政改革の考え方を役所の全部所に浸透させて、役所の体質改善を進めると同時に、大胆に経常経費の削減を図るべきと思います。
これについては市長からの決意をお伺いいたしました。多くは申し上げませんけれども、私は、一つだけ申し上げるとすれば、行政改革の手法というのは、やはりトップ・ダウンに尽きるというふうに考えるものです。その点をもう一つ深めて、トップ・ダウンの手法をさらに深めていっていただきたい、こういうことを申し上げまして、これは要望といたします。
2の人件費の問題と4の助川山開発に関連してお伺いをいたします。
平成4年から平成8年までの間の47名の増員を行っておりますが、これが仮に50名の削減した場合には、この差は97名と、こういうことになるわけでございます。この間の費用を820万円──一人当たり820万と、こう言っておりますので、これを97名の倍数を掛けますと、約8億円ということになるわけです。つまり、各年度で10名ずつ削減をすれば、この間で約8億ぐらいの削減が図れたと、こういうふうに結果的になるわけでございます。
それから、さらに、もう一つ言えば、職員の一人当たりの生涯賃金が3億2,000万円程度と、こういうふうに言われておりますので、これを97名に掛けますと、300億円を超える投資と同じことになるわけでございます。ちょっと言い過ぎかなという感じもいたしますけれども、要するに、人件費の負担は長期にわたって市財政に重くのしかかるわけですから、
採用計画については慎重に対処すべきだと、こういうことを申し上げたいわけでございます。
もう一つ、助川山と、それから多賀駅前の問題については、都市計画部長からお話がございましたけれども、この問題、あるいは職員の
採用計画の問題等については、ずっと見渡してみますと、全庁的に衆知を結集してこれを検討したというふうな形跡がどうも見られない。「役所の悪弊」と、こう言われるんですけれども、いわゆる縦割り行政ということによって、担当セクションから部長・助役・市長という縦のラインの中で論議されて、横断的な検討がなされないまま方針が決定されてしまったのではないかということを、私は指摘をしたいのであります。
こうした縦割り行政の弊害をなくすため、庁内に常設のチームを編成して、一定金額以上の大型プロジェクト、あるいは重要な方針決定については、全庁的にあらゆる角度から議論を経て執行部案を作成するというようなシステムの構築をお願いをしたいということであります。これについてひとつ、執行部の見解をお伺いいたします。
次に、消防力の整備の問題です。消防長からいろいろお話ございました。もっともなところ、あるわけでございますけれども、なかなか「そうですか。では削減を図ります」ということは、消防長の立場からは言えないことであろうというふうに思いますので、その点については今の説明で了解をいたします。
ただ、一つだけ申し上げたいことは、消防について当市が他の
地方自治体と大きく違っている点は、市内の企業が特設消防隊を組織している。これは、市内全部合わせますと27隊ございまして、1,767名の隊員を擁しております。ここで保有している消防車等は実に88台ということで、消防署以上の装備を持っているのであります。昨年の話ですけれども、多賀地区で火災が発生した際、この特設消防隊の方が市の消防よりも早く現場に駆けつけた。これは近いわけですから、当然そういうこともあるわけですけれども、市の消防との役割分担の上で消火活動がどうも円滑に進まなかったということであります。
私は企業の消防隊との協力関係を発展させて、市全体の消防力の中に組み込んで考えていくべきではないかというふうに思います。企業内消防という意味では、協力にもおのずから限界があることは承知しておりますが、協力体制の構築について、執行部の見解をお伺いいたします。
3の少子化対策についてです。出生率は婚姻率に相関関係があるということが言えるかと思います。出生率の低下対策は、結婚の比率を上げるということが有効な手段であるということを指摘したいのであります。これは一昔前のピーク時には200万組が結婚しておりましたか、昨年はこれが半分以下の80万組になってしまいました。しかしこの場合でも、出生の数は128万人ということですから、結婚さえしてくれれば、結構2人目の子供が生まれているということが言えるかと思います。つまり、結婚する男女の数が減れば出生率が減り、結婚がふえれば確実に出生率がふえてくるということが言えるかと思います。
生まれてきた子供に対する優遇策も一つの対策であることは言うまでもありませんけれども、まず結婚を促すことが有効な出生率の増につながることがはっきりしております。今後、出生率の増加策を考えるとき、こうした観点からの対策も必要ではないかというふうに思います。これは要望といたします。
4の助川山開発です。助川山開発問題についてですが、私の質問の趣旨に都市計画部長はやはり答えてはいないのではないか、答えになっていないんじゃないかというふうに思います。担当部長にこれ以上の答弁を求めても大変難しいだろうと、これは私も理解をいたしますので、ひとつ担当の高畠助役から、執行部としてこの問題をどう認識しているのか、見解をお聞かせいただきたいと思います。
15 ◯財政部長(吉成 明君) ◇登壇◇ 園原議員さんの再質問にお答えします。
新聞報道等の「激減」というようなことについての再質問かというふうに思います。
市税全体では特別減税の影響を含めましても、対前年度比当初2.5%減、額にして7億8,600万円余の減収でございます。また、議員御指摘のとおり、特別減税に伴う減収分については、減税補てん債で7億2,900万円をカバーするわけでございます。「激減」という表現が適切であったかどうかは意見の分かれるところでございますが、個人市民税だけに限ってみますと、特別減税の影響で約7%減というふうになっており、市税全体ではなく、個人、あるいは法人市民税の減収を強調したものだというふうに受け取っております。
以上でございます。
16 ◯助役(吉成保寿君) ◇登壇◇ 大きい2の(3)の中で再質問にお答えをしたいと思います。
縦割り行政の弊害についてでございまして、これにつきましては私どももいろんな場面で常に取り出されているわけでありまして、厳しく受けとめて対応しているつもりであります。
しかしながら、御指摘のように重要な施策の方針決定について全庁的に、そして多角的な議論を経て作成できるようなシステムを構築できないかということにつきましては、現在あります庁議あるいは調整会議を積極的に活用しまして、より効果的な運用を図って、縦割りの弊害を少しでも是正して、その実を上げるように改善していきたいというふうに思います。
ちょっと申し上げますと、この庁議の目的は、市政各部門の基本的な方針を総合的視野から審議・決定し、その推進に当たって、相互の連絡調整をして執行を図るということであります。政策について申し上げますと、市の将来構想、長期計画に関する事項、予算に関連する主要施策や重要事業の計画に関することなどでありまして、現在の企画部を中心といたしまして、より横断的な検討ができるよう、全力を挙げて改善していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
17 ◯助役(高畠 俊君) ◇登壇◇ 助川山につきまして再質問がございましたので、お答えいたします。
市としての助川山についての考え方は、都市計画部長が御答弁したとおりでございますが、当初の基本構想どおりに今の助川山開発計画が、時期も含めて、進んでいるわけではないということについては御指摘のとおりでございますし、特に投資効果という視点から考えますと、いろいろ問題点が多いというふうに思っております。いろいろ園原議員から御指摘ございましたが、問題点については共通の認識でございます。
問題は、今後どうしていくかということだろうというふうに思っております。自然公園の方は先ほど黒澤部長が答弁したとおりでございますが、特に二次開発の部分につきましては、いろいろ反省事項が多いのではないかという気がしております。当初の見通しについて、十分な裏づけというようなことについて、若干不足しておったのかなと。あるいは、昨今の社会経済環境の低迷といったようなことも考えても、やはり早期に考え方をもう一度整理する必要があるだろうと、こう思っております。
例えば、公共投資についても試算しますと、結構、助川山の二次開発を行いますと大変だなと。例えば道路、あるいは河川の改修等々ございます。そういう問題点を一つずつ明らかにすると同時に、立地可能な開発が一体どういうものなのかということをもう一度原点に立ち返って、幾つかのケース・スタディーを行いながら費用も算出をしていき、議会とも十分御協議申し上げていくということが大事だろうと、こう思います。そのことが市単独でなくて、例えば県の事業であるとか、あるいは国の事業であるとか、あるいは民間の事業であるとかということを誘導する上からも、そういう作業がどうしても前段として必要でございますので、全庁挙げてこの問題について取り組みまして、議会と御相談してまいりたいと、こういうふうに考えております。
18 ◯消防長(久
下谷晃一君) ◇登壇◇ 消防力の整備について、再質問にお答えをいたします。
企業消防隊との協力関係についての貴重な御提言をいただきました。平成3年の林野火災にも見られますように、市消防機関だけの対応には大変限界があります。そのような大規模な災害時におきましては、企業の消防隊に御協力をお願いいたしまして消火活動を実施してまいりました。また、日立市地域防災計画の中におきましても、防災上の重要な機関としての位置づけを行いまして、災害応急対策につきましての協力体制を確立しておりますので、消防といたしましては大変に心強い消防隊であると認識をいたしております。
協力体制を組むに当たりましては、市消防隊と企業の消防隊では、災害現場での活動に法律的な裏づけが全く異なっておりますので、一般災害活動時における協力体制につきましては、今後十分な検討を加えなければならないと、問題もございます。例えば、消防法に定めのあります緊急通行権の問題であるとか、消防の警戒区域、あるいは火災警戒区域の設定であるとか、災害現場からの退去命令、及び立入禁止制限などなど、いろいろございます。
いずれにいたしましても、企業消防隊との協力関係は不可欠とも考えられますので、災害というときはこの協力体制が速やかに、そして十分に機能を発揮できますよう、今後、協力体制の再構築に取り組み、協力関係を発展させ、災害体制のさらなる強化を図ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
19 ◯36番(園原 実君) 以上で終わります。
20 ◯議長(反町好男君) 次に、政山会・五来議員に発言を許します。
21 ◯25番(五来政太郎君) ◇登壇◇ 政山会を代表いたしまして、市政につき、大きく4項目にわたり質問させていただきます。よろしく御答弁のほどをお願い申し上げます。
1として、日立市の財政措置と不況に対する対応策についてであります。
国が公共事業費を7.8%削減し、県では単独の建設事業費を15%削減すると聞いております。この国・県の予算削減のしわ寄せは、市内企業にも当然襲ってくるだろうということが予想されます。したがって、深刻な不況に対応して、即効性のある市の施策を考えるべきときである、かように考えられます。
不況に対する対応策として、2点御質問申し上げます。
まず1点目は、倒産防止対策についてであります。この深刻な不況下において、また、銀行が貸し渋りをしている状況にあって、現在の融資制度ではおぼつかない。現在の融資制度の有効性も認めることはいたしますが、ここ二、三年を持ちこたえれば、景気も回復し、明るい世の中が目の前に来ているということを考えた場合に、現在の融資制度の拡充や、新しい融資制度など、効果的な倒産防止対策を考えてほしいというのは、私一人ではございません。
2点目は、失業者対策であります。不況で失業もふえ、今後も失業者がふえることは明白であります。現在、市の方でも退職者によって行われております市民相談業務には、気鋭のばりばりとした優秀な人材を配置いたしまして、失業対策のために相談業務を拡充してはどうか。また、関係機関とも連携して、積極的に対応を図るべきときが来ていると思います。
次に、教育問題の現状についてに触れます。
政府は先日6日、教育関係の審議会の代表者や学識経験者などが参加した、首相特命による、「次代を担う青少年について考える有識者会議」の初会合を首相官邸で開き、ナイフを使った少年犯罪の多発などを受けた青少年問題への取り組みを本格的に開始いたしました。そして、橋本首相は、この問題を放置すれば、間違いなく我が国の将来に禍根を残す。対症療法的な対策では解決にならないと、非常なる危機感をあらわしながら、幅広い観点からこれの論議を求めました。その出席者からは、家庭のしつけの中身が大切だとか、戦後50年の日本のあり方が問われているなどの意見が出されました。また、同会議で問題点に対する共通認識を深めた後、4月中旬から関係省庁と関係審議会で、具体的な検討に入る方針を確認いたしました。
この中学生によるナイフを使った犯罪が続発していることを受けまして、総務庁と自治省、文部省、警察庁の4省庁は、去る5日、局長クラスによる緊急の連絡会議を開催、各省庁が連携を強化し、時代に対応していくことなどを確認いたしました。また、会議では、事件後の取り組みなどについて、警察庁が今月2日に出した通達で、刃渡り6センチを超える刃物を正当な理由なく持ち歩くことは違法行為である。これを周知徹底させるようにということを指示いたしました。
文部省は、去る6日に予定している都道府県・政令指定都市の担当課長会議で、命の大切さや規範意識を身につけさせるよう要請することを明らかにいたしました。また、平成10年、ことしの第1回県議会定例会の開会に当たりまして、橋本知事の所信表明の中で、「眼を教育関係に向けますと、家庭や地域において人間関係が希薄になっているという指摘がなされている中で、神戸市の中学生による小学生殺害事件を契機に、子供たちの心の教育のあり方が課題となっております。神戸市の事件の後も、中高校生によるナイフなどを使用した殺人、傷害事件が続発し、大きな社会問題となっておりますが、本県の高等学校でも刃物による傷害事件が起きましたことは、まことに憂慮すべき事態であります。今後は、学校・家庭・地域社会が一体となって、児童生徒の小さなサインを見逃さない体制づくりに努めるとともに、子供の心のケアを含めた相談体制の一層の充実を図るなど、適切な対応策を講じてまいりたいと考えております」、このように知事の所信表明で申されております。
特に中小学生による殺人傷害事件の続発を、どこでも皆憂えておりますので、本市のこの件に対する対応策をお聞きいたします。また、中学校教諭刺殺事件その他について、生徒の人権配慮と所持品検査について。刃物を使った少年犯罪が相次ぐうちに、再発防止として浮かび上がってきた、ナイフなどを対象とする学校での所持品検査の必要性について、全国の都道府県教育委員会のうち半数以上が「画一的に実施する考えはない」。また、「学校長の判断に任せる」など、人権への配慮から慎重な姿勢を見せておりますことが、5日の調査でわかりました。しかし、文部省が6日に生徒指導主事らを集め、東京で開く緊急会議の結果を見て対応を決めるという、文部省の指示待ちの自治体も19道府県に上がり、同省の所持品検査をめぐる方針は、教育現場へ大きな影響を与えそうであります。
所持品検査の実施については、一律にやる考えはない、これは千葉県です。指示する予定はない、大分県。など、都道府県教育委員会レベルで学校に画一的な実施を求める動きは否定的、消極的な自治体が多く、25都道府県を占める自治体が慎重になっている背景では、生徒のプライバシーの問題、子供の人権もあって、現段階ではできないという、児童・生徒の人権問題などへの配慮がある。また、「やらなくて済むものなら、教師と生徒の信頼関係を維持するためにやらないのが基本的な考え」、「教師と生徒の人間関係や信頼関係を疎外するようなことはしたくない」など、教育現場での悪影響に、そういう懸念もうかがえます。ただ画一的な所持品検査には慎重な姿勢を見せている自治体も、「検査を行うかどうかは校長の判断」、あるいは「学校長が必要に応じ、親の同意をもとにやることができる」。「学校長の判断で必要に応じてやるのはとめられない」など、実際の実施となると、学校長判断に任せてしまっているのが実情であります。
以上、教育問題の御答弁をお願いいたします。
次に、介護保険の対応について。
高齢者介護保険実施が、2000年4月スタートするということを聞いておりますが、現在、どのような導入の過程にあるのか、また、今後の見通しについて、具体的な動きと対策について御説明をお願いいたします。細かいことは飛ばしますので、御答弁をお願いします。
4のその他の項といたしまして、法人税率引き上げに伴う日立市の税収影響と今後の見通しについて。
市民税の2兆円減税に引き続きまして、法人税制について、基本税率や中小法人に対する軽減税率等を引き下げるという。また、課税係数を拡大・適正化する。これにより法人税の基本税率は、シャウプ税制以降最も低く、米国の連邦法人税を下回る基準となりました。
以上のことを踏まえまして、本市法人税の基本税率や、中小法人に対する軽減税率等により、現在よりどの程度に法人税が減額になるのか。また、その他の影響があるのか。御説明と御答弁をお願いいたします。
次に、使用料及び手数料について触れさせていただきます。
市政の枢要の箇所全般にわたりまして、市民の便宜と利用に供するため、市は膨大な投資をいたしまして各施設を設置して、市民により使用料もいただいており、その使用料及び手数料は、上記のとおりであります。すなわち、予算書によれば使用料は16億3,334万4,000円、手数料2億8,364万8,000円、計19億1,699万2,000円。その範囲は、総務、商工、教育、民生、土木、衛生、消防の各般にわたっております。他の市町村では、財政の不足を補うために、使用料及び手数料の値上がり収入の措置をとりつつあります。
私は、現在の日立市の不況を考えた場合に、他の市町村に引き続いて値上げをすることを主張するものではございません。しかしながら、今までは公共が市民の便宜を図るため、市民の希望に応じた使用に任せておいたきらいがございます。現在の市の
行財政改革の推進等も考えた場合に、各施設が市民に対して積極的にアピールし、施設の利用率を倍加させる、そして、市の歳入に大きく寄与すべきときが来ているのではなかろうか、かように考えられます。従前のように施設の維持管理に十全を置くことも大切ではございますが、主催者側の計画・実施に親身になって協力して、アドバイスやらアイデアやらをその方と相談して申し上げ、入場者を一人でも多くするため、大いに奔走するときでございます。各施設の責任者と係員は、やはり経営者の感覚を持って、サービス精神の充実に、財政におけるバランス感覚を十二分に自覚して、その上で運営と行動すべきときでございますが、この点について御答弁をお願いいたします。
細かい3として、温泉水を市民のために早期利用について。
慎重な準備と科学的な予備調査のもとに、平成9年5月、待望の温泉水の湧出を見ることができました。日立市では温泉は出ないというような、そういう不文律的な言い伝えがございましたが、これを打破いたしまして温泉を掘り当てたことは、画期的な行政の勇断の賜物であります。とともに、この未曾有の不況におる日立市民に対して、天が与えてくれた宝の水でございます。しかるに、その有望な温泉を市当局が計画している健康増進施設の完成まで、せっかくの温泉水を利用しないで、現在とめております。市民のために利用の方法を早急に講じていただきたい。とりあえず、身体障害者、老人福祉、老人ホーム等の皆さんと、また市民の皆さんに、用の方には分けてあげていただきたい。
また、健康増進施設が施工し、完成するまでには、現在の財政その他の関係上、私の見るところでは3年有余の年月が待たれるようになると思います。現在の日立市の化学レベルと高度な技術水準から、可能であろう経済的価値を伴った利用方法を早急に考える必要があるではないか、かように思います。また、幸いにも、湧出温泉水は、泉温は31度、湧出量は1分間に270リッター、無色透明、無臭、微酸味で、アルカリイオン性であります。この温泉の適応症は、神経痛、筋肉痛、打ち身、慢性消化器、疲労回復、健康増進。また、これを飲みますれば、その効能は、慢性胆嚢炎、胆石症、便秘、肥満、痛風、糖尿病など、以上のようなすばらしい病気に対して効能を発揮する性質を持っております。
また、健康増進施設の完成するまでは、現在の見積もりでは約35億円程度の設備投資をするわけでございます。日立市の現在の財政と将来を考えた場合は、この設備の償却を可及的短期間で完了をするということを考えねばなりません。
それで、健康温泉センターの温泉使用量でございますが、およそ1分間70リッターであります。したがって、毎分約200リッターの残余の温泉水が余るわけでございます。温泉水の効果的な利用による経済的利益によって、設備の償却を早く進めるべきである。いわゆる設備の償却方法は、健康温泉センターと、それと余った温泉水の利用によって、2方面の財政的利益を伴うもので償却を急ぐ必要がある。その方法について確立すべきであると、かように申し上げたいと思います。また、もう一つは、市内にもこれらを利用した新しい産業の息吹を発生させねばなりません。
以上申し上げましたが、よろしく御答弁のほどをお願いいたします。
これをもちまして、第1回の質問にいたします。よろしくお願いします。